ビデオキャプチャという作業(アナログ時代)

Windowsが登場した1995から2005年頃までは、VHSが映像メディアの主流で、ビデオテープからパソコンへ映像をアナログキャプチャするという方法が主流でした。

HDDの容量も10GBとか、今のディスクの1万分の一という、想像もつかないほど極小な容量だったので、大量のビデオテープの中から欲しいシーンだけ探し出し、秒単位でキャプチャするという根気のいる作業でした。
(アナログ編集してた先人達は神業としか言いようがありません。)

この作業がほぼカット割りに直結するので、全体の半分を占めると言っても過言ではありません。

とにかく、このキャプチャ作業時は、コマ落ちを防ぐ為にパソコンに触れないといういうのが鉄則です。

最近古いDVテープからパソコンへ吸い上げる作業してるのですが、昔の記憶があるので怖くてさわれません・・・

第三のMAD

MADムービーは、取り扱うコンテンツコンセプトによって、大きく分けて5つの文化圏に分けることができます。また、メディアの特性によっても2つの系統に分けることができます。

動的コンテンツ

1.音声系(1982年~「New Mad Tape」)
2.動画系(1984年~「えとけっとビデオ」)
3.二次創作系(1981年~「DAICONⅣ」以降進化)

静的コンテンツ

4.静止画系1997年頃~)
5.FLASH系(2002年 2chでFLASH板設立)※ Flashは2020年サポート終了。

しかし、動的でも静的でもなく、どの文化圏にも属さないまったく新しいコンセプトの動画が近年現れました。

混合コンテンツ

6.新動画系(2003年~「Secret Waltz」)

動画・静止画・手描き素材を応用的に用いたミックスコンテンツ型のミュージックビデオ系MADムービーです。厳密には複合融合混合MADですが、ながったらしくなるので、 仮に「新動画系」と呼ぶことにします。

動画素材に静止画的手法を用いたり、アニメ動画とCG画像などを混合したり、キネティック・イポグラフィやモーションエフェクトを多用するなど、非常に高度な編集手法を用いるのが特徴です。中には手描きや3Dを用いるものも存在します。

2003年に軍魔氏&Piano氏が『Secret Waltz』を作ったとき、衝撃と同時にどう評価していいのか?困惑し長年もやもやしたものがあったのですが、コンテンツもコンセプトも違うものに、動画MADの物差しで評価などできるはずがなく、違う文化圏とすべきなのだろうという結論に至りました。

『Secret Waltz』が作られてから15年(早いね・・・)、2018年現在、最も多いジャンルの一つとなっています。当時としては衝撃的でした。

MADの分類

MADムービーには多種多様なジャンルがあり、いくつかの切り口によって分類分けすることができます。

文化圏による分類分け

扱うコンテンツとコンセプトによって、6つの文化圏に分けることができます。

1.音声系・・・・MADテープ・音MADなど音声主体のもの
2.動画系・・・・アニメーション・実写素材を用いたもの
3.静止画系・・・ゲーム・漫画などを用いたもの
4.二次創作系・・手描MAD等
5.Flash系 ・・・2chネタ由来などの創作系MAD ※2020年にサポート終了
6.新動画系・・・1~4のコンテンツを複合的に用いたもの 「第三のMAD」参照

ジャンルによる分類分け

大きく分けて下記の2系統7分類に分けられます。

ミュージック系

1)ミュージックビデオ系
2)オープニングムービー系

バラエティ系

3)コメディ系
4)コント系
5)ノンフィクション系
6)サブ映像系
7)カオス系

※コントとコメディ(喜劇)との違いは、「コメディは役者がやってコントは芸人がやるもの」とされる。
※なお、カオス系は2000年台に入ってから現れた新しいジャンルですが、それ以外の6系統については、1984年に「十二支団」が確立したものです。

 

編集手法による分類分け(37種類)

1)ミュージックビデオ系(9種目)

1.アニメ映像系ミュージックビデオ
2.実写映像系ミュージックビデオ
3.特集MAD【Feature】
4.複合MAD【Complex】
5.混合MAD【Mixing】
6.融合MAD【Ffusion
7.音MAD【Remix】
8.プロモーションビデオ系MAD
9.静止画MAD
10.実写MAD(踊ってみた系)

2)オープニングムービー系(7種目)

11.オープニングMAD(正統派)
12.オープニングMAD(ギャグ派)
13.ユニゾンMAD
14.実写MAD(オープニング)
15.手描きMAD
16.替え歌MAD(歌ってみた系)
17.替え歌MAD(Remix)

3.コメディ系(4種目)

18.CMネタ
19.字幕ネタ
20.MADニュース
21.ポリフォニー

4.コント系(7種目)

22.ネタMAD
23.コント番組
24. 空耳アワーネタ
25.サブタイトルオチ
26.吹き替えMAD
27.自作改造ゲーム
28.全く気付かないうちに になるシリーズ

5.ドキュメンタリー系

29.ノンフィクション
30.フィギュアMAD

6.サブ映像系(4種目)

31.オープニングビデオ
32.アイキャッチ
33.エンディングビデオ
34.広告用CM

7.カオス系(3種目)

35.カオス系MAD
36.日常系MAD
37. Flash MAD

 

まとめ

各分類の説明と、起点になるであろう参考ムービーを纏めました。
ご参考下さい。

MADの系譜.pdf

MADの系譜

1976年 MADの起源

MADの起源は『アオイホノオ』にも掲載されており、有名な逸話となっています。

MAD島川とネトホヘル矢野(矢野健太郎)が作ってたのが「奇知害低符」別名MADテープで、それを元にクレイジィ今井がリメイクしたり独自編集して広めたのが『NEW MAD TAPE』。

矢野健太郎とは、大阪芸術大学漫画アニメーション研究会「グループCAS」の創設者。MAD島川が元祖MAD TAPEの家元との記録があります。

『アオイホノオ』に見るMADテープの時代

 

1981年 自主制作アニメの出現

DAICON FILMの作成した「DAICON Ⅲ」「DAICON Ⅳ」は、その後のMADビデオや二次制作コンテンツに大きな影響を与えました。オリジナリティの観点から、しばしMADと混同されることもしばしばあります。

グレーじゃなくてアウトでしょう・・・
法人化して白にしてしまったゼネラルプロダクツ。恐るべし。

GAINAX NET > のーてんき通信

1984年 MADビデオの誕生

十二支団が制作したパロディコラージュビデオ「えとけっとビデオ」シリーズが最初のMADビデオと言われています。

起源の根拠は、1984年以前にMADビデオが存在した記録が一切ない。MAD業界の要人達も口を揃えて同意見であること。

また、同時期にDAICON FILMと同じく大阪で発生したことから、何かしらの影響があり「えとけっとビデオ」制作に繋がったのでは?という個人的憶測。

しかし、驚くべきことは、現在ある全てのジャンルの基礎を一人で作り上げたという事実が実名ともに「原点にして頂点」のMADビデオの由縁です。

1998年 ノンリニア編集時代の幕開け

1996~7年頃、Macでノンリニア編集を行う者が現れました。1998年にはWindows98がリリース。同時にライトユーザーでも比較的購入しやすいキャプチャーボードが多数発売され、MAD編集者が急激に増加する要因となりました。

また、P2P技術の登場により、MADの知名度が爆発的に拡散されたのもこの頃です。

 

2007年 ニコニコ動画サービス開始

ストリーミング配信の利便性と拡散性の良さが支持され、新たなコミュニティが広がりました。制作環境も完全なデジタル編集へ移行し、若い世代も始めやすいものへと変化していきました。

しかし“MADビデオ”という文化は薄れ、“MADムービー”という単独の呼称へ移り変わっていきます。オンラインで活動するニコニコ動画・youtubeユーザーと、水面下の上映会などで活動するオフラインユーザーと、活動範囲が大きく二分化しました。

 

2018年 モバイル編集時代

キャプチャーという概念はとうに無くなり、時代はモバイル編集へと突入しました。パソコン自体の所持率が低下してきた反面、モバイル環境の進化が加速してきています。

低年齢化はますます進み、中・高校生でMAD制作を始めるものも現れはじめました。

202?年 AI編集時代?

AIによる編集技術が開発され、人々は“締め切り”の苦痛から開放される。SNSはVR技術へシフトし、VR上映会が始まるだろう。。。

実際もうあるんだけどね(  ̄3 ̄)~♪

【まとめ決定版】2018年 AIによる動画編集サービスとソフト

 

MADの系譜

MADの系譜.pdf

『おたくのMADビデオ』(はじおう)

デジタル媒体で初めてMADビデオを配布された方が 『おたくのMADビデオ』の“はじおう”氏 だったと記憶しています。はじおうさんは『おたくのMADビデオ1998』を最後にMAD編集から引退しましたが、MADビデオにおけるメディアの変革を起こしたことで有名となりました。

私が入手したのは『おたくのMADビデオ1998』で、それはDATA CD形式で配布されていました。それまでMADビデオというものはVHSメディアが主流で、MADビデオの存在自体、都市伝説の如く語られてきたものでした。

『おたくのMADビデオ1998』にはVHS版とCD版が存在しました。VHS版は数百本程度製作されCD版はそれほど数は作らなかったと聞いています。

しかし当時Windows98の爆発的にヒットが後押しし、そのいくつかのCDははコピーがコピーを生み、デジタルMAD編集を世に知らしめる存在となりました。

ノンリニア編集の先駆者しかり、動画切り抜きやインチキタイトルのテクニックも、これを見て皆真似をするようになりました。

電脳絵巻のインチキロゴの原点です

また「おたくのビデオ」を見るきっかけになったのも『おたMA』の影響であり、「Gロボ」が世に知られたのも、はじおうさんのおかげと言っても過言ではありません。MADムービーとは「布教」であると教えられたのも『おたMA』でした。

彼はこのことを知ってか知らずか、爆発的に拡散されたころには、既に世の中からは姿を消しており、噂は噂を呼び、当時最も有名な都市伝説となって後世に語り継がれていきました。

私がMAD製作を始めたのは1998で、奇しくも同じ時代を活躍することは出来なかったのが今でも心残りです。

と、いろいろ功績の多いはじおうさんですが、今思えば、彼は編集者として一流でしたが、それ以上に戦略家でした。彼から受け継いだことは、作風や技術ではなく、時代の先を見る視野の広さと、常識と変革を恐れない心でした。

はじおうさんには、引退後、何度かお会いする機会があり、公式に弟子宣言させて頂くことができました。

「東北は赤く燃えている!!!!!」